おひとりさまのシニアライフ研究日記

おひとりさまの楽しいシニアライフを探究しています。

二人のお爺さん

10数年前に、地元の人から聞いた話です。


その町に、二人のお爺さん(AさんとBさん)がいました。お二人とも奥様に先立たれ、息子家族と同居していました。


Aさんは90歳近い方でしたが、いつも穏やかにニコニコしていて、身の回りのことは家族の手を煩わさず、自分でやるという方でした。しかも、毎週日曜日には息子家族のためにお皿を並べて朝食を用意。トーストを焼いてくれたそうです。子供達一家は「お爺ちゃん、ありがとう!これからも長生きしてね!」と感謝していたとか。


Bさんは70代。Aさんより若いのに昔ながらの亭主関白で、自分の身の回りのことは一切せず、いつも不機嫌な顔をして小言を言っていたので、お嫁さんも孫も辟易していたそうです。子供夫婦は「ああ、何故お婆ちゃんの方が先に逝ってしまったの!?」と嘆いていたそうです。


AさんとBさんのどちらが幸せでしょうか。特に、この先健康寿命が尽きた後、Bさんの身に何が起きるでしょうか。


Bさんは「これは俺の性分だから変えられないよ!」と言うかもしれません。でも、働いていた時には、社長には笑顔でぺこぺこして、社内で求められれば職場の整理整頓もしたのではないでしょうか。


だから、相手によって自分の態度を選んでいるのです。子供夫婦をナメきって苦痛を与えているのです。


或いは、人間関係を上下関係でしか見られないのかも。社長は自分より上、子供夫婦(特に嫁)は下、と認識しているのかも。


男性数人に、AさんとBさんの生き方について話したら、「Aさんは心から家族サービスがしたいのではなく、生きるために考えてやっているのだ」という感想がありました。Aさんなりに考えた、サバイバル戦略だったのか?・・・それでも結構じゃありませんか。家族みんなが笑顔になっているのだから。


実際にその後どうなったのかは聞いていませんが、Aさんの生き方の方が幸せであっただろうと思います。